日本国内の両替
国別両替まとめ
日本以外の国の物価ってどうなの?日本と比べてどのくらい安かったり高かったりするの?
といった漠然とした疑問、割と持つことがあると思います。統計によって日本は高かったり安かったりしますが、じゃあ実際の世界の物価ってどんな感じなのでしょうか?
さすがに世界すべての国の比較をすると見るのも大変なので、ここでは特に観光客に人気の以下の14都市の物価について比較してみました。
皆様のお役に立てれば幸いです。
なお、以下の国については更に個別に物価のご紹介もしています。こちらも併せてご覧ください。
この記事の為替レートは、各通貨のここ数年間での平均的な為替レートを用いて計算しています。
そのため、最新の為替レートと乖離している可能性があります。この点についてはご注意頂いた上で内容をご確認ください。
最新の為替レートの情報が必要な方は、以下の記事にて、最新の為替レートに基づいたビックマック価格を公開しています。
こちらは毎日レートを見直して修正されていますので、直近のレートで参考にしたい場合はこちらも併せてご覧ください。
2021年11月現在、為替レートは全体的に「円安」になっています。そのため海外各国の物価を円換算した場合、かなり高く感じるようになっています。
全体の傾向としては、ここ数年のレートで最も安い「円安」になっています。これ以上安くなると、ここ数年でのでの新記録更新…というレベルで円安になっているので、さすがにこれ以上円安にはならない…かもしれませんし、なるかもしれません。それは分からないですね。
以下の比較は標準的なレートでの比較になっているので、今最新のレートで見直すともう少し海外の物価が高くなっています。この点はご注意下さい。最新レートに基づいたものは、上記のビックマック価格などを参照してください。
ではまず結論から。
当サイト独自に、旅行者が気になる3項目(飲食費・交通費・宿泊費)について集計。日本を100%とした場合、それ以外の国の物価がどれくらいなのかをまとめました。
結果は以下の通りとなります。
という事で、結論としてはもうこの図の通りになります。
物価は、比べる項目ごとに結構違います。この後、個別に飲食費・交通費・宿泊費を比較していくのでそちらもご覧頂きたいですが、全体的な結果は上記の通りです。
ちなみに上記だと日本の物価が比較的高めに感じますが、日本の場合はホテル代(この比較は東京で実施)とタクシー代がとにかく高く、その結果上記の通りになっています。この2つを除くと日本の物価はがくっと下がります。詳しくは後程ご覧ください。
ただ当サイトの独自指標だけでも、本当にあってんのこれ?という話もあると思います。
そこで、当サイトの指標は特に旅行者目線を意識した指標になっているので、ここでは在住者向けの指標も引用してみましょう。
例えば海外の資料ですと、物価の比較は英movehubの世界の物価比較の図があります。こちらは世界中の物価を比較した結果を世界地図で示したもので、非常に有名で分かりやすいものですね。
こちらの比較の元データとして使用されているのがNUMBEOの物価のデータ。こちらも非常に有名なサイトです。主に、ニューヨークを100とした場合の物価を比較しているサイトです。
こちらのサイトから、今回の比較対象だけをピックアップしてまとめました。ニューヨークを100とした場合の物価を比較したものですね。結果は以下の通りになります。
都市名 | 指数 |
---|---|
(ニューヨーク/アメリカ) | 100 |
ホノルル/アメリカ | 82.99 |
ロンドン/イギリス | 82.09 |
香港 | 76.38 |
シドニー/オーストラリア | 76.37 |
シンガポール | 75.24 |
東京/日本 | 65.84 |
ソウル/韓国 | 60.82 |
台北/台湾 | 47.34 |
北京/中国 | 42.62 |
バンコク/タイ | 40.16 |
マニラ/フィリピン | 36.51 |
ジャカルタ/インドネシア | 30.50 |
ホーチミン/ベトナム | 29.61 |
クアラルンプール/マレーシア | 28.36 |
前々順位が違いますね。日本がシンガポールや香港に抜かされた指標が出てきます。
この利用は、このランキングが賃貸家賃まで加えたものだから。東京は物価と比べてると、家賃が非常に安い都市なのです。
…わかります。一般的に、東京の家賃なんて死ぬほど高いだろ、って言いたい気持ちすごい分かります。もちろん私もそう思っています。
ただ、世界的に見ると、その他の国の首都の家賃はもっともっと信じられないくらい高いという事です。
全体の傾向で見ればやはりアメリカの家賃が高いです。サンフランシスコ、ニューヨークは世界でトップクラスに家賃の高い都市です。
ここで掲載している都市だと高い順にロンドン、香港、ホノルル、シンガポール、シドニーは東京より家賃がかなり高いです。これらの都市と比べると東京の家賃はかなり安く感じられます。
では家賃を除いた、生活費だけで物価を比較してみた指標だとこうなります。
都市名 | 指数 |
---|---|
(ニューヨーク/アメリカ) | 100 |
ホノルル/アメリカ | 96.9 |
シドニー/オーストラリア | 86.63 |
ロンドン/イギリス | 86.13 |
東京/日本 | 85.50 |
ソウル/韓国 | 83.34 |
シンガポール | 82.74 |
香港 | 78.52 |
台北/台湾 | 65.17 |
バンコク/タイ | 52.05 |
北京/中国 | 47.23 |
マニラ/フィリピン | 43.24 |
ジャカルタ/インドネシア | 41.37 |
クアラルンプール/マレーシア | 40.08 |
ホーチミン/ベトナム | 38.74 |
またちょっとランキングが変わりましたね。家賃は金額も大きいため、指標で占める割合も高いです。在住者目線の指標だとかなり変わってくることがこれで分かっていただけるかと思います。
ここで言いたかったことは、物価は見る視点で本当にいろいろ変わってくるという事です。
例えば分かりやすいのがシンガポール。「シンガポールの物価は日本より高い」。これは割とよく使われる言葉です。
ただ実際、シンガポールに観光で行ってみると「いうほど高くはないし、日本より安いのもある」。実際、レストランは高いものもありますが、タクシーは半額以下で、ホテルも東京程は高くないです。
シンガポールでは家賃や車がとにかく高く、それが指標を押し上げているため、旅行客目線で見るとそうでもなかったりする事があるのですね。
つまり何が言いたいかと言うと、物価は高い安いとか一概に言えないという事です。
ものによって安かったり高かったりします。考えてみれば当たり前ですね。
なのでここでは更に踏み込んで、「飲食費・交通費・宿泊費」別に、実際各国がどれくらいのお値段なのか、という事をまとめています。国によって傾向はあれど、物価は結構ばらばらなのが分かっていただけるかと思います。
ではここからは、個別の項目について比較していきましょう。まずは飲食費。
飲食費を各国と比較してみた結果、こうなりました。
飲食費は各国で特に差が付きにくい分野です。ただそれでも、日本と比べた場合、イギリスは1.3倍近いお値段がしますし、インドネシアは日本の半値だったりと、もちろん差はあります。
特に近年の韓国・シンガポールの伸びはすごいものがあり、この図でもわかりますね。
ただここだけだとあまりピンとこないかもしれないので、更に詳しく見ていきましょう。
よく物価の指標として使われるもので有名なものは、「ビッグマック指数」ですね。
ただ実際問題、ビッグマック単品って高いんですよ。日本でも今、単品のビックマックは390円。結構高くないですか?これがポテトとドリンクがセットだと690円。まあ最近だとこんなもんですね、と言う価格ですね。こちらだとそこまで高いとは感じないと思います。
マクドナルドは、セット売りでどうしてもお得感を出そうとするため、こういう値段設定をどの国でも行っています。なので、ビックマック単品で比較すると結構値段を見失います。
そこでここでは、ビックマック「セット」に注目して値段を比較しました。結果は以下の通りになります。
国名 | 価格 (円換算) |
---|---|
ハワイ | 901 |
オーストラリア | 844 |
イギリス | 766 |
日本 | 690 |
タイ | 585 |
シンガポール | 580 |
香港 | 518 |
韓国 | 513 |
北京 | 480 |
ベトナム | 445 |
台湾 | 427 |
フィリピン | 380 |
マレーシア | 377 |
インドネシア | 331 |
ベトナムに関しては店舗数が非常に少なく、現地では「アメリカで人気のファーストフード」としてある程度お高めのものな位置づけになっています。ベトナムの物価はこの中ではトップクラスに安く、マクドナルド以外の飲食店は非常に安いので、この点は割り引いて比較してください。
こういった例外をのぞいてみると、値段差がなんとなくわかりやすいと思います。レートの変動の影響も受けやすいですが、大体目安としてはこれくらいになりますね。
ハワイは901円。圧倒的に高く感じます。一方インドネシアでは331円。一番高い国と一番安い国ではこれだけの差があります。日本はちょうど真ん中ぐらいといった感じですね。
続いて私が物価を比較する際によく確認するのが「鼎泰豊」。ご存知小籠包で有名な台湾の中華料理レストランです。このお店は世界的にあり、かつお値段が各国の「ちょっとお高めのレストラン」の値段設定になっています。
こちらのランキングはかなり旅していて実態に近いお値段になっている事を感じます。結果は以下ですね。
なお、ここでは比較を「小籠包10個」「青菜炒め」「海老チャーハン」の3品のアラカルト合計価格で比較しています。このチョイスは個人的に好きだからです。
また、ベトナムには鼎泰豊が無いため、首都の超高級ホテルの中華料理店の値段で代替しています。
国名 | 価格 (円換算) |
---|---|
イギリス | 5,568 |
オーストラリア | 4,026 |
ハワイ | 3,749 |
香港 | 3,542 |
韓国 | 3,375 |
日本 | 3,300 |
シンガポール | 2,952 |
北京 | 2,416 |
タイ | 2,278 |
台湾 | 2,275 |
ベトナム | 1,880 |
インドネシア | 1,736 |
マレーシア | 1,706 |
フィリピン | 1,659 |
こちらの指標だと、香港・韓国が日本を追い抜きます。
こちらも私が実際に訪れてみた際の値段の感覚にかなり近いですね。各国のちょっとお高めレストランのお値段の値段が、大体これくらいだと思っていただければ問題ないでしょう。
実際イギリスやオーストラリアは日本の価格より全体的にお値段がかなり高く、現地だと食事のお値段見るたびに驚くこととなります。
反対にベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピンあたりは日本の半値近いお値段の事があり、こちらも逆の意味で驚きます。
つづいて交通費編。こちらも意外と差があります。
こちらは日本以外の東・東南アジアはかなり安いという結果になります。オーストラリアも意外と安く、高いのはやはりイギリスですね。
特にお値段の差が出やすいのはタクシー代金。各国20キロタクシーに乗った場合のお値段を、以下で比較しました。20キロというと、羽田空港~東京駅間、伊丹空港~難波駅の距離に近いですね。
国名 | 価格 (円換算) |
---|---|
イギリス | 7,008 |
日本 | 6,490 |
オーストラリア | 4,696 |
ハワイ | 3,707 |
香港 | 2,093 |
台湾 | 1,558 |
韓国 | 1,404 |
シンガポール | 1,392 |
ベトナム | 1,150 |
北京 | 944 |
マレーシア | 724 |
インドネシア | 696 |
フィリピン | 562 |
タイ | 425 |
タクシーの価格比較
これは国によって、かなり極端にお値段の差が出ます。
日本はタクシー代金がトップクラスに高い国の1つ。そのため、他国でのタクシー代金はかなり安く感じます。ハワイでも日本の半分ぐらいですね。
特に安いと感じるのはマレーシア、インドネシア、フィリピン、タイですが、その中でもタイの価格は目を引きます。
タイは世界でもトップクラスにタクシー料金が安く、日本の10分の1以下。もうこれだけの値段だと、どんな移動でもタクシーで移動したくなるぐらいお安いです。日本だと考えられない値段設定になります。
最後に宿泊費を比較しましょう。
こちらは東京で値段を比較したものです。東京の宿泊費は、世界でもトップクラスに高いのでこの点は割り引いて考える必要があります。感覚的に沖縄当たりで比較すると、香港とシンガポールぐらいに並んでくるかなーという感じですね。
ホテルの値段の比較ってかなり難しいんですよね…。立地や広さ、年数などでなかなか同じ条件にならないんですよね。以下に、ざっくりと高級ホテルの目安価格をご紹介します。
国名 | 価格 (円換算) |
---|---|
イギリス | 87,826 |
日本 | 73,445 |
香港 | 60,132 |
ハワイ | 50,985 |
シンガポール | 43,477 |
台湾 | 38,472 |
オーストラリア | 37,601 |
韓国 | 35,887 |
北京 | 32,835 |
タイ | 30,773 |
インドネシア | 30,218 |
フィリピン | 29,080 |
ベトナム | 26,034 |
マレーシア | 20,589 |
高級ホテルの価格比較
本当にざっくりとした目安価格としてご理解下さい。
ホテル価格は物価も影響するのですが、あとは都市毎に競争があるかないかも重要なポイントだったりします。
例えばハワイ、沖縄といったリゾート地は、基本的にホテル等の観光施設が立地する事が多く、数多くのホテルが並びます。そのため競争が起きやすく、値段も下がる傾向にあります。
他方、東京やロンドン等は、オフィス、住宅需要も多く、空き地が出た場合にはそれらとの戦いになった結果、どうしてもホテルの値段を上げないとペイしない事からホテルの値段はあがりがちです。特に東京はその傾向が良く出ていますね。東京駅前のホテルはかなり高い値段がします。
それと比べると全体的に東南アジアのホテルはお値段がお手頃です。特にマレーシアは都市部ですが、高級ホテルが林立しているためにホテル激戦区になっています。
日本だとなかなか泊まりにくい高級ホテルにさらっととまれますし、お値段を出してスイート等に宿泊しても楽しめると思います。
以上、世界の物価を比べてみました。
「物価」と一言で言っても、ものによって全然違いますし、各国でそれぞれ傾向が違ってくるのもわかっていただけたかなと思います。
この辺りの知識が頭にあれば、実際に訪れる際にある程度情報が分かって訪れる事ができるはずです。
皆様のお役に立てれば幸いです。