シンガポール・リトルインディア シンガポールでインドの文化と味覚に浸る
シンガポールは多民族国家。75%を占める主流の中華系、13%のマレー系とともに、主要民族を構成しているのが、9%を占めるインド系です。
そのインド系の文化を体験できるのが、リトルインディア。シンガポールでは最もカラフルに彩られているエリアだといっていいでしょう。インド系の飲食店、ヒンドゥー寺院に、スパイスショップも立ち並ぶエリア。ある意味では、「日本人が思い描くシンガポール」から最もかけ離れたエリアです。しかし、ここでは日本ではなかなか体験できないインド文化が深く味わえる、まさに海外に来たという感覚を強く感じさせてくれる魅力的なスポットです。
ここではそんなリトルインディについて、概要と観光のポイントをまとめてお伝えします。
シンガポール・リトルインディアってどんなところ?
リトルインディアは、マーライオンがあるマリーナベイの中心部から、3キロほど北に位置するエリアです。シンガポールのインド人コミュニティでは、このエリアは「テッカ」とも呼ばれており、中心部のマーケットの「テッカセンター」「テッカプレイス」はそこからの由来です。
リトルインディアの歴史を簡単に振り返りましょう。
- 当初この地区はヨーロッパ人向けの居住区として指定されていましたが、この地域で働くインド人移民も多く、この地区にインド文化が根付いていきます。
- 19世紀末には様々な産業とビジネスが集まる賑やかな地区となり、ヒンドゥー教徒やムスリム、仏教徒が寺院やモスクと立て、宗教的な施設も集まる場所になりました。
- 20世紀の動乱を経て、1989年にはこの地域は保存地区として指定。街並みや建造物が保護されることとなり、1995年には観光地として正式にオープンすることになります。以来、様々なフェスティバルやイベントが開催されています。
リトルインディアの楽しいところと注意点
リトルインディアでは何が楽しめ、どこに注意したらいいのかを簡単にまとめました。
- レストラン、カフェ、ホーカーズなどで、本格的なインド料理が味わえる。
- テッカセンターやムスタファセンター、リトルインディアアーケードなどで、お手頃価格のお土産から、インドの民芸品、本格的なスパイスまで、様々なショッピングを楽しむことができる。
- リトルインディアのヒンドゥー、ムスリム、仏教等の様々な寺院で、信仰文化や建築様式を体験できる。
- インディアン・ヘリテージ・センターで、リトルインディアの歴史や文化を学べる。
- 基本的に混雑しているエリアだが、日曜日は特にシンガポール中のインド系住民が集っているといっていいぐらい尋常じゃない混雑になる。人によっては混雑がひどすぎてストレスになるため要注意。
- ムスタファセンターでは、カバンチェックがある(万引き防止のため)。たまにインド系のお店では見るタイプのもの。大型のカバンだとプラスチックの紐であかないようにされたり、大型の荷物はコインロッカーに預けるよう指示されたりするので注意。
- 一部の寺院やモスクでは、肩・膝を露出しない恰好が求められたり(隠すためのローブを貸し出してくれる場合もある)、靴を脱ぐ事が求められたりすることがある。
- 古き良きインド文化を味わうエリアで、モダンで洗練された雰囲気ではない。
- インド文化に関心が無い場合ははっきり向かない。
リトルインディアの人気観光スポット9選
リトルインディアで人気の観光スポットを9選、選んでみました。
ムスタファセンター
まずはお買い物、ということでムスタファセンターを。パンデミック前は24時間営業していた大型ショッピングモール(現在は26:30頃までの営業。)で、ものすごい広さがあります。この広さは覚悟がいる広さなので、全部回るのはあきらめてある程度絞り込んでいくのがおすすめです。おすすめはシンガポールお土産でしょうか。お手頃プライスでまとまっています。
電化製品から食品、化粧品、おみやげ、洋服、書籍など、様々なものを取り扱っており、比較的低価格なのが嬉しい所。ただ、在庫管理が若干適当というか、なんかヘアケアコーナーが2か所ぐらいあって同じものおいてたりと、そのあたりはアバウトです。
全部回ると時間かかって仕方ないので、適当なところで切り上げましょう。
テッカセンター
1982年に現在の地に移転。その後何度も改築や拡張が行われている、大変大型のショッピングモールです。大型のホーカーズが有名で、食料品店からインドの伝統的な衣装まで取りあつかっています。
こちらのフードセンターは非常に大型で有名です。インド料理が非常に豊富ですが、中華やマレー料理も取り揃えられている、大型のホーカーズです。
定番なのは「Allauddin’s Briyani」。ビリヤニの定番店で、ガイドブックにも多数紹介されている有名店です。あとは、「Heng Gi Goose and Duck Rice」。こちらも行列のできる定番店ですね。名前の通りカモ肉の料理店で、しょうゆベースの味付けなので、比較的日本人にもなじみやすい味だと思います。どちらも価格が非常に抑えられているのがうれしいところです。
ケルバウ・ロード
この辺りの小道はわりとどこも雰囲気があるので、適当にぶらぶらしていれば面白いと思いますが、個人的にはケルバウ・ロードが一番雰囲気があったかなと思います。写真をみていただければわかると思いますが、低層の建物が集中しており、そしてそれらの建物が非常にカラフルな彩色で彩られています。とても雰囲気が良いエリアなのでおすすめです。
スリ・ヴィーラマカリアマン寺院
シンガポールで有名なヒンドゥー教寺院といえばやはりこちらでしょうか。ネット等をみても、こちらのほうが多く紹介されているような気がします。1855年とシンガポールでもかなり古い寺院の一つ。シヴァ神の妻の獰猛な化身であり、「悪を滅ぼす者」であるカーリー女神に捧げられています。
スリ・スリニヴァサ・ペルマル寺院
こちらのが空いている印象ですが、個人的にはこちらも立派なので、ぜひおすすめの寺院です。同じヒンドゥー寺院なので非常に似ていますが、こちらのが入りやすいですね。スリニヴァーサまたはヴェンカテスワラの化身である生命の守護神ヴィシュヌ神に捧げられています。こちらも同程度に古い寺院です。
龍山寺/千燈寺院
リトルインディアはインド人街ですが、仏教寺院もあります。こちらは龍山寺、1913年に設立され、現在の建物は1926年に建立されたものです。
そちてちょっとこちらのお顔のデザインが特徴的で、日本とはだいぶ異なる釈迦如来坐像で有名なのがSakya Muni Buddha Gaya Temple。
1927年タイからやってきた僧侶によって建立された寺院には、高さ15メートル、重さ300トン近くあるこの大型の仏像があり、この多数の電球に囲われていることから、1000の光の寺院、ということで「千燈寺院」とも呼ばれています。
ティラミスヒーロー
日本人にはかなり知名度が高く人気のティラミスヒーロー。リトルインディアの中心部から少しはずれた場所にありますが、大きくくくればリトルインディアといっていい場所にシンガポールの本店があります。モダンで雰囲気がよく、おなじみのキャラクターがたくさんいるこちらの店舗ですね。
もちろんここではティラミスヒーローを頂きます。ほかにも各種お土産も販売されています。日本まで持ち帰るのはさすがに厳しいですが、ぜひこちらで本場のティラミスヒーローをいただいてみるのも良いと思います。
シティ・スクウェア・モール
リトルインディア、全体的にはかなり特徴的で、日本人にはかなり異質に映る事が多いと思います。それが観光の醍醐味ではあるのですが、ちょっと疲れたので普通にゆっくりしたいな…というときにおすすめなのは、こちらの「シティ・スクウェア・モール」です。非常に大型のモールでドンキとかも入っていたりしますが、中身は完全にシンガポールでよく見る普通のモールです。
なんというか、落ち着きますね。特に特徴がある施設ではないのですが、疲れて休憩するときぴったりだとおもいます。こちらのフードコートも観光地風になっていますが、ラインナップはシンガポールでよく見る感じです。コーヒービーンとかもあるので、無難に休憩することができます。
インディアン・ヘリテージ・センター
すいません、こちらは諸事情で行けていないのですが、次回また行こうと思っている場所です。
こちらはリトルインディアの歴史を、展示とともに振り返れる施設ですね。評判も良く、展示物の内容も良いとのことなので、個人的にチェックしている施設です。
さいごに
以上、リトルインディアについてまとめました。
シンガポールではチャイナタウンもカオスさがだいぶ抜けてきていて、国全体でいわゆる「アジアらしい混沌さ」を味わえる場所はかなり少なくなっていると思います。
リトルインディアもマレーシアあたりと比べるとだいぶんカオスさは落ち着いている印象ではありますが、それでも日本人からすると群を抜いて異国感を強く感じるエリアです。無国籍風が多いシンガポールで、強い異国感を味わいたいのであればこのエリアはおすすめです。近隣のアラブストリートとセットでおすすめると、海外を強く感じれるのではないでしょうか。
癖が強いので人は選ぶと思いますが、一風変わったシンガポールを味わいたい方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。