
シンガポールに首都は無いですが、中心市街地がどこなのかまとめました
シンガポールに首都はありません。
シンガポールは都市国家。日本で言う国、都道府県、市町村という区分がなく、都道府県も市町村も、そういった制度自体がありません。都道府県も市町村もないので、もちろん首都、というものはありません。
とはいえ。
まあそれはわかったけど、じゃあ中心部はどのあたりなのよ?というのがあるかと思います。そこでここでは、シンガポールの基本的なエリア区分についてと、どのエリアに中心部があるのかをまとめました。
シンガポールの行政区分

シンガポールには都道府県も市町村もないんだ!だから首都はないんだ!…とは言いますが、もちろん行政区分自体はあります。制度は異なりますが、イメージとして東京23区ぐらいの区分けはもちろんあります。
いろいろ探しても資料ってみつからないのですが、シンガポール統計局の人口動向に関する資料の付録が分かりやすいかと思います。これにマップがついていて、「Planning Areas/Subzones」となっているのがシンガポールの区分です。大区分が「Planning Areas」 、その中で更に区分を割った小区分が「Subzones」といった形で、シンガポールは大きく区分されます。
例えばマーライオンやマリーナベイサンズがあるマリーナベイエリア。このエリアは、「Planning Areas」は、「Downtonw Core」とされるエリア。そしてその中h 「Subzones」 に分かれていて、マーライオンがある周辺が「Clifford Pier」、マリーナベイサンズがあるあたりが「Bayfront Subzone」、シンガポール金融街のあたりが「Raffles Place」というエリアに分かれます。
シンガポールでもこんな感じで行政区分が分かれますね。
シンガポールの中心部はどこ?

じゃあこの区分に基づいて、シンガポールの中心部はどこにあるんだろう?というのをまとめます。国・行政に関する施設の所在地と、大企業の所在地に分け、それぞれの施設がどのエリアにあるのかをまとめてみました。
国・行政に関する施設の所在地
まずは国・行政に関する施設から。シンガポールの主要施設の所在地は以下の通りとなります。
- シンガポール議会:City Hall, Downtown Core
- 大統領府:Dhoby Ghaut, Museum
- 内務省:Balestier, Novena
- 外務省:Ridout, Tanglin
- 財務省:City Hall, Downtown Core
- 法務省:Maxwell, Downtown Core
- 最高裁判所:City Hall, Downtown Core
- シンガポール国立大学:National University Of Singapore , Queenstown
- 国立博物館:Bras Basah, Museum
- 在シンガポール日本大使館:Nassim , Tanglin
んー、ばらばら。日本だとほとんど全部千代田区の霞が関か永田町、となりそうなラインナップなんですが、シンガポールだと見事に分散してます。あんまり中央官庁をまとめる、っていう発想自体がなさそうですね。
個人的になんで在シンガポール日本大使館はオーチャードの先にあるんだろう、って思ってたんですけど、なんてことはないシンガポール外務省がオーチャードの先にあるからなんですね。この界隈、たしかに各国の大使館が多いエリアになっています。
ただまあとはいえ傾向はあって、シティーホール周辺に議会や財務省、最高裁判所は固まってますね。なのでだいたいこの辺りが、行政の中心部と言えるのではないでしょうか。日本ほど密集しているわけではないですけど。
大企業の所在地

シンガポール企業では、シンガポール証券取引所のストレーツ・タイムス指数(日本で言う東証のTOPIX Core30当たりに相当)に採用されている会社のうち、私自身がなんとなく知ってた会社の所在地をピックアップ。そして外資系企業の所在地として、有名企業を中心にこのあたりも独断と偏見でピックアップしてみました。
- シンガポール企業
- DBS Group Holdings(金融):Central Subzone, Downtown Core
- United Overseas Bank(金融):Raffles Place, Downtown Core
- Oversea-Chinese Banking(金融):Phillip, Downtown Core
- CapitaLand (不動産):Cecil, Downtown Core
- Singapore Airlines(航空):Changi Airport, Changi
- Singapore Telecommunications(通信):Somerset, Orchard
- StarHub (通信) :Kampong Ubi,Geylang
- 外資系企業
- Google:Pasir Panjang 2 , Queenstown
- Facebook:City Hall, Downtown Core
- Microsoft:Cecil, Downtown Core
- Expedia:City Hall, Downtown Core
- Agoda:Raffles Place, Downtown Core
- Grab:Cecil, Downtown Core
- 三菱UFJ銀行:Central Subzone, Downtown Core
- みずほ銀行:Central Subzone, Downtown Core
- 三井住友銀行:Marina Centre , Downtown Core
ざーっとならべてみましたが、16社中12社がDowntown Coreエリアに本社がありますね。こう考えるとやはりこの近辺が中心部といってよいのだと思います。
シンガポールの中心部はダウンタウンコア
以上から、企業や行政の活動の中心地はダウンタウンコアだと言っていいでしょう。観光的にもマーライオンやマリーナベイサンズがあり、著名な超高級ホテルも集約されているエリアですので、名実ともに中心部であるといっていいのかなと思います。場所はだいたいこの辺りですね。
さいごに

という事でまとめです。
- シンガポールは都市国家。地方自治体(都道府県や市町村など)といった制度がないため、首都という考え方がありません。
- シンガポールの中心部はダウンタウンコア。多くの大企業や、中心的な公官庁はこのエリアに属しています。
- ただし日本のように完全に密集してはいないので、一部の 公官庁はこれ以外のエリアにあったりします。例えば外務省はオーチャードの奥にあったりするので、在シンガポール日本大使館もその近くにあったりします。
と、こんなかんじですね。
ただ実際問題、ダウンタウンコアという区分を日本のシンガポールに関する資料で見かけることは殆どありません。なのであまり通じないのではないでしょうか…。
よく見かける表現としては、マリーナベイとかラッフルズプレイスとかシティーホールとか、もう一段階細分化されたエリアで表現を見かける事が多いですね。このあたりの湾を指して「マリーナベイ」なので、 マリーナベイ周辺と言っておけば大体外れることはないのかなあと私は思っていますが、このあたりの表現は難しい所ですね。